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【音の立ち上がりと周波数】
こんにちは。
Tees Music School ベース講師の植木貴士です。
みなさんはメトロノームでの練習やバンドでの練習の時、どのタイミングで弾いていますか?
この弾くタイミングを意識したことのない方も多くいると思います。
今回は音の立ち上がりについて解説していきます。
・音の立ち上がりって?
音の立ち上がりとは、弾いてから音が鳴り始めるまでの時間。もっといえば、弾いてから音程が確認できるまでの時間の事を差します。
弾いてから音程が確認できるまでの時間が短いことを、立ち上がりが早いと言います。
いやいや、音程なんてすぐ出るものでしょ。なんでそんなに難しい説明でうるさくいうんだよ、なんて思った方もいらっしゃると思います。
少しイメージがつきにくいと思うので、図で詳しく見てみましょう。
・周波数による立ち上がりの変化
それでは実際に図で見てみましょう。
まずは、50zの周波数から。
図の製作の都合で低い周波数になっていますが、そこはご了承ください。
50Hzの周波数の立ち上がり
音は空気の振動で波で表されます。この波が頂点にきた時、音程がはっきり確認できます。
それでは、先ほどの図よりも低い、30Hzではどうでしょうか
30Hzの周波数の立ち上がり
波の幅が大きくなりました。
50Hzの波と比べて、波の頂点まで行くのに時間がかかります。
それでは比較してみましょう
30Hzと50Hzの波の比較
ご覧ください。これだけ頂点に到達するまでに差があります。
音の波は、低ければ低いほど波の幅が広くなり、頂点に行くまでの時間が長くなります。
逆に、高ければ高いほど波の幅が狭くなり、頂点に行くまでの時間が短くなります。
つまりどういう事が起き得るかと言うと、せーので同じタイミングでギターとベースがピッキングするとベースは音が遅れてしまうのです。
なので、ベースの場合は高音域の周波数を補う事で立ち上がりが早く聴こえるようなセッティングをしたりするんですね。
しかし、本当の意味でクリックにジャストタイム、ドラムとジャストタイムを狙うのなら、この低音の立ち上がりの差を計算して少し早めにピッキングする必要があります。
よく、クリックを聞くのではなく感じろ、と言われるのはこのような音の原理が関係しています。
あと、本当にジャストタイミングで二つの音が出た場合、徒競走で真横にいる状態なので相手方の音が聴こえない、という状況になります。
前にいたら先に聴こえるし、後にいたら遅れて聴こえてきますから。
不思議な感覚ですが、これをキープ出来るようになったら、ノリ感のコントロールも簡単になっていくでしょう。
いかがでしょうか。
普段何気なく練習している事、アンサンブルしている事でもちょっとした音の原理や構造を知る事で、より美しい、よりノリ感のある演奏の一助になります。
是非参考にしてみてくださいね。