BLOG ブログ
【バンドの音作り】その2「中音とモニター」
こんにちは。
Tees Music School ベース講師の植木貴士です。
バンドの音作りについて、前回住み分けについて解説しました。
前回の記事はこちら→【バンドの音作り】その1 「住み分けとマスキング」
今回はステージ上の中音とモニターについて解説していきます。
中音とモニターの関係を知る事で、よりクリアな環境で演奏する事が出来ますよ。
今回は図解がありませんが、イメージしながらやっていきましょう。
・中音の音量
ライブでのリハーサル。
セッティングして音出しをして音量を調整していきますが、みなさんは音量に関して基準をお持ちでしょうか?
ギターボーカルは、自分の音がはっきりと聴こえて歌いやすい音量感でセッティングする事が多いです。
中音を作る際、ボーカルの歌いやすさを考えて音量を調整すると、比較的早く、バランスを整える事が出来ます。
歌もののバンドの場合、まず歌がしっかり聴こえる事が大前提です。
そのボーカルが歌い辛い環境、ベースやリードが大きすぎたり小さすぎたり、高音域が出過ぎてしまっている環境だと、ボーカルは無理をして歌うことに繋がります。
そうすると、本来表現したいニュアンスが出せなくなったり、持ち時間歌いきれなくなる可能性があります。
なので、ボーカルの歌いやすさを基準に音量、住み分けの調整を行っていくとストレスの少ない環境が作れます。
・実際のモニター
中音がある程度作れたのち、PAさんとモニターと外音を作っていく事になります。
この時、中音バランスがしっかり取れていれば、自然とモニターはやりやすい環境になり、外音もある程度バランスよくなっているはずです。
その上で、モニターに関してはどうしても聴こえない音だけを返してもらうようにしましょう。
必要最低限でモニターを返すには理由があります。
ステージ上には沢山のマイクが立っています。
ということは、中音で鳴っている音はどうしてもある程度マイクで拾われてしまいます。
必要以上にモニターを返してしまうと余計な音をマイクが拾ってしまい、外音に余計な音が入ってしまいます。
せっかくバランスを整えたのに余計な音が入ってしまうのは勿体無いですよね。
なので、聴こえにくい音がある場合はアンプでボリュームをあげたり、アンプを少し聴こえない人に向けてあげると良いです。
逆に聴こえすぎる場合は下げてもらうかアンプの向きをずらすといいでしょう。
本人が音量が大きい方がいいと言う場合も、アンプを外側にずらすなどして対策すると良いです。
アンプの向きによって若干音の出方も変わるので、ボリュームで調整なのか向きで調整なのか、その場その場で試してみて自分たちの対策テンプレを作っておくと、非常に便利です。
・実際のモニターの例
僕がバンドをやっていた際は、セット図にモニター要望を記載していました。
基本的な要望は、
・メインのボーカルを少し
・自分の声を大きめ
・アコースティックギター大きめ
・同期少し
この程度です。
自分の声を大きめにしていた理由としては、コーラス時のピッチが分かりいくいからだったのですが、やっていくうちに地声がある程度大きくなっていったので、最終的にはうっすら聴こえるくらいの音量で返してもらっていました。
イレギュラーなモニターとして、キック/スネア/ハイハットの3点を返してもらう場合がありました。
当時のドラマーはキックが弱かったのでその補正のために返してもらう、といった理由です。
あとは、他のメンバーが同じモニター要望をした際、逆に聴こえすぎてしまう場合もありますので注意してみると良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。
モニターがクリアになれば、外音も余計な音が減ってよりクリアに、自分たちの狙ったサウンドを作りやすくなります。
昔働いていたライブハウスのPAさん曰く、クアトロやO-WESTくらいの規模感のライブハウスなら、きちんと住み分けできていればモニターで返すのは声ものと同期やキーボードなどのラインものだけで十分、返せば返すだけ音は濁るから最低限を返せばいい、とのことです。
実際そうだと思いますので、ぜひ一度試してみてください。