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2022.01.21

【音作りとイコライザー】その2「イコライザーの原理」 

こんにちは。 

Tees Music School ベース講師の植木貴士です。  

前回はイコライザーがどういうものかについて、音がどういうものなのかという解説と合わせて説明しましたが、イコライザーがどんなものかある程度分かった上で、ツマミを増減した時どうのように倍音がどのようになるのか、少し突っ込んだ使い方も含めて解説していきます。 

前回の記事はこちら

 

前回のまとめ 

・音は周波数の高い音から低い音まで、沢山の倍音を含んでいる  

・倍音は◯Hzといった周波数で表記される  

・イコライザーは倍音の音量を上げ下げするもの 

 

・イコライザーで増減させる前と後 

実際、イコライザーでツマミを上げる前と上げた後でどのような変化があるのでしょうか。 

DTMのガレージバンドに搭載されているイコライザーを使って、説明して行きます 

 

増減する前 

 

増減する前の、いわゆるフラットの状態ではこのような状態です。 

真ん中の数字は周波数を表しています。 

右端の丸はこのイコライザー全体のボリュームとなっていますので、アンプでいうマスターボリュームだと思ってください。 

見た目通り何にもないですよね。 

では、上げたらどうなるのか、早速図で見て見ましょう。 

 

上げた後 

 

なにやら山ができています。 

これがイコライザーによって倍音のボリュームが上がった状態です。山になっている分だけ音量が上がっています 

ちなみに、周波数に関しては前回解説した Ampeg SVT-CL を参考に、 

ベースは40Hz 、ミドルは800Hz、トレブルは3kHzを中心に上がっている状態です。 

基本的にイコライザーは、ツマミごとに受け持った周波数を中心に山なりに上がったり下がったりします 

なので、ベースは40Hz 、ミドルは800Hz、トレブルは3kHzを中心にして山が出来ているんですね。 

同じ帯域で下げたものも見て見ましょう。 

 

下げた後 

 

 

上げた時に上に向かっていた山が逆に下に向かって谷になっています 

これがイコライザーで音量を下げた状態です。 

谷になっている分、音量が下げられて削れている状態です。 

 

イコライザーを上げた分音量は大きくなりますし、下げた分だけ音量は下がります 

実際のアンプやエフェクターではこうして目で音量の増減を見ることは出来ませんし、物によって受け持つ周波数や山の出来方も違うのですが、イコライザーで倍音の音量を増減させた時のイメージとしてしっかり覚えておくと今後の音作りのヒントになると思います。 

 

・イコライザーの音量とボリュームの音量 

イコライザーは、倍音の音量を増減するものだと解説しました。 

つまり、ベースのボリューム、ミドルのボリューム、トレブルのボリュームということです。 

それでは、アンプについているボリューム、物によってはマスターボリュームとなっていますが、上げた時はどうなるのか、図で見て見ましょう。 

 

マスターボリュームを上げた時 

 

今回は山や谷ではなく、全てが満遍なく上に上がっていますね。 

イコライザーとはそれぞれのツマミが受け持つ周波数を中心に山なりに増減マスターボリュームは全てが均一に増減、この違いがあります。 

なので、イコライザーで増減させたときとボリュームで増減させたときで音に違いができるんですね。 

 

・イコライザーとボリュームでの差し引き 

イコライザーがどんなものか、ボリュームがどんなものなのかがより分かってきたところで、一つ音作りのヒントです。 

アンプのイコライザーの周波数帯域とエフェクターのイコライザーの周波数帯域は、同じベースと書かれたツマミでも違います 

みなさん実際には、エフェクターやアンプでについているそれぞれのイコライザーを増減させていると思います。そうするとどうなるのか。 

少し極端に弄って見た図がこちらです。 

 

極端にイコライジングされた音 

 

ベースがイマイチ物足りなくて、エフェクターとアンプ両方のイコライザーでベースを上げた形をイメージしました。 

もう少し極端にしたかったのですが、そこはご愛嬌で。 

これを見てどう思われるでしょうか。 

低音を中心にほぼ全体的に音量が上がっていると思いませんか? 

こういう音作りしたら、メンバーから「音でかい」と言われて泣く泣くアンプのボリューム下げるなんてことになるかもしれません。 

それでまたなんか音が違うとクレーム入れられたりして。 

なぜこうなるのか。 

それは、アンプのベースの周波数帯域とエフェクターのベースの周波数帯域は、同じベースと書かれたツマミでも違うから。 

これなら、全体的なボリュームを少し上げて、ほんの少しイコライザーを増減させれば同じような形は作れますよね。 

 

明確な意図があって、エフェクターやアンプのイコライザーで調整するならとても良いことだと思いますが、意図せずやっていまっているなら気をつけた方がいいと思います。 

なぜなら、本来自分が調整したい倍音、周波数が思うように調整できなくなってしまうから。 

なので、3つイコライザーがあって3つとも同じくらい上がっているのなら、一度イコライザーで上がっている分ボリュームを上げて、イコライザーは下げてみる、というのを試して見てください。 

そこから、本当に必要な部分、不要な部分を増減させる方が分かりやすく、音もイメージしやすいと思います。 

 

今回はここまでにしましょう。 

ちょっと難しいですが、イコライザーとボリュームを知ることで本当に自分が出したい音に近づけることは間違いないです。 

騙されたと思って試して見てくださいね。 

 

まとめ 

・イコライザーは周波数のボリューム 

・ベース/ミドル/トレブル全てを増減させる≒マスターボリューム増減