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【音作りとイコライザー】その1「音の成分とイコライザー」
こんにちは。
Tees Music School ベース講師の植木貴士です。
みなさん、スタジオでの練習やライブハウス、レコーディングなど、様々な場面で音作りと向き合う機会があると思います。
ゲイン/ボリューム/トレブル/ミドル/ベース….色んなツマミがありますが、実際どのような原理になっているかご存知でしょうか?
特に、駆け出しのバンドマンにとってはイマイチよくわからない部分もあると思います。
今回は、音作りの要素の中でもイコライザーに焦点を当てて、中々教えてくれない原理とちょっとした使い方のコツについて、解説していきます。
・解説の前に
イコライザーの話をする前に、音について少しお話ししましょう。
楽器の音や自分の声、自然に存在する音を含めて音には高い音から低い音まで色んな成分が入っています。
ベースで低音を鳴らしても高い音の成分も入っていて、ギターで高い音を鳴らしても低い音の成分が入っているということです。
こういった、音に含まれる高い音や低い音の成分の事を倍音と言います。
この倍音は◯Hzや◯kHzといった周波数で表記されます。
倍音に関してもっと詳しく知りたい方、気になる方は調べて見てください。
ここでは簡単に説明するためにざっくりと、音に含まれる高い音や低い音といった成分の事を倍音、倍音は周波数で表記される、としておきます。
・イコライザーって何なの?
イコライザーとは、アンプやエフェクターで言うところの「トレブル/ミドル/ベース」と割り振られたツマミのことです。種類によっては先の3つに加えて「ハイミッド/ローミッド」と割り振られたツマミがあるものもあります。
トレブルは高音、ミドルは中音、ベースなら低音ですね。
ハイミッドはトレブルとミドルの間の高中音、ローミッドはミドルとベースの中低音のことです。
それぞれのツマミに割り振られた音の周波数の音量を上げたり下げたりするのがイコライザーです。
つまり、倍音の音量を調整するボリュームがイコライザーというわけです。
・実際のツマミの中身
アンプやエフェクターによって様々ですが、スタジオやライブハウスでよく見かける代表的な、Ampeg SVT-450Hはこのようにツマミへ周波数が割り振られています。
Ampeg SVT-450H
ベース→50Hz ミドル→? トレブル→5kHz
このような感じです。ミドルの周波数が調べても見つからなかったので?としました。このAmpeg SVT-450Hというアンプは、ベースのツマミは50Hz、トレブルのツマミは5kHzを中心とした周波数帯域の倍音を、上げたり下げたりすることができるということです。
ミドルに関しては中音域のコントロールとしか記載がなかったため割愛しますが、概ね50Hz~5kHzの間の周波数の帯域の倍音が上げ下げできるということです。
同じくAmpegブランドのSVT-CLについては、ミドルの周波数の記載があったのでこちらも例に挙げて見ましょう
。
Ampeg SVT-CL
ベース→40Hz ミドル→220Hz/450Hz/800Hz/1.6kHz/3kHz トレブル→3kHz
となっています。
何点かSVT-450Hと違う部分がありますね。
Ampeg SVT-450Hのベースは50Hz、トレブルは5kHzなのに対し、 Ampeg SVT-CLはベースが40Hz、トレブルが3kHzとなっています。
同じメーカーのアンプでも、種類によっては同じベースやトレブルと表記されたツマミでも、受け持っている周波数が違うんですね。
しかしもっとおかしいのは、ミドルだけやたらと周波数が書いてあります。
これは、SVT-CLというアンプのミドルは周波数が選べるようになっているからです。
この SVT-CLというアンプは、ミドルのツマミの横にフリケンシーというツマミがあります。このフリケンシーと書かれたツマミを動かすことで、好きな周波数帯域を選べることができます。
そのため、ミドルだけ沢山周波数が書いてあるんですね。
今回解説したSVT-CLに限らず、「フリケンシーと書かれたツマミがある場合は周波数が選べる」という事を覚えておくと良いでしょう。
今回は一旦ここまで。
あまり詰め込みすぎると噛み砕いて理解するのが大変ですからね。
引き続きイコライザーについて解説は続けますので、お楽しみに。
まとめ
・音は周波数の高い音から低い音まで、沢山の倍音を含んでいる
・倍音は◯Hzといった周波数で表記される
・イコライザーは倍音の音量を上げ下げするもの