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音楽理論・初級編 #5-a ~五度圏の見方と近親調~
こんにちは!Tees Music School講師のRyosukeです!
今回からコード進行の中にある音の動き方について触れたいと思います。
前回の記事はこちら→ 音楽理論・初級編 #4-b ~マイナースケールのコード機能と平行調/同主調~
まずは五度圏(Circle of 5th)と呼ばれる表をご覧ください。
サークルと書いてある通り輪っかになっていて、循環する形やコード機能とその代理、調(Key)について記されています。
とても便利で頭の中でもイメージが掴みやすいです、画像を保存して眺めておくのをオススメします。
最初に調合について
あらかじめ#や♭を指定することで楽譜上でゴチャつかなくて済むようにしています。
特定のKeyで進むので、臨時として#や♭が出てこない限りは登場する音は7つのままだよ!って教えてくれています。
で、#が何個つけばKeyは何、Keyが何なら♭が何個つく。というのがそれぞれ順番に記されています。
時計回りが5度に動き、半時計回りが4度に動きます。
例えばCから見て5度はG、4度はFですね。
ちなみに僕がギターでこれを覚え始めた時は、6弦8フレットから始めて#や♭の数だけ移動させてKeyを判別するという様にしていました。
次にコードの代理について
Keyとなる音の左側がサブドミナント(以下SD)、右側がドミナントになっています。そして表の内側にそれぞれのコードの響きが最も近く、置き換え可能なマイナーコード(またはマイナーキー)が書いてあります。
例えばKey≡Cなら左側にSD、そしてその内側に代理のマイナーコード。右側にドミナント、そしてその内側に代理のマイナーコード。
マイナーキーから見る場合は同様に内側をメインに見ればOKです!
最後に近親調について
「音楽理論・初級編#4-b」 で触れたんですが、「近親調」というものがあります。
Keyの中の音で#や♭が1つ、つまりは半音1個くらいの違いは錯覚しやすいので別のKeyに移調しやすいよ、という事です。
仮にC→Em→Am→Gというコード進行があった場合、登場していない音があります。
この様に不確定の音があると、主旋律(歌メロなど)がFまたはF#を使うまでKeyがCともGとも言える状況になります。
これを逆手に取って、ヴォーカルが歌える音域は限られるのでその中に収まる様に移調するアレンジをする事もあります。
半音違いの錯覚に惑わされずうまく作曲やアレンジに活かしましょう!
このコード進行を使った譜例を2つ
#1の方は2つのKeyを行ったり来たりするパターン。セクションAもBも最初のコードはCから始まりますが転調しています。
セクションが移る直前に転調後の流れに繋がるようにコードを変えています。
8小節目がGやG7でもいいんですが、セクションBがKey≡Gの進行なので転調を予感させる展開としてここでコードを変えます。
Key≡CとGの共通の音がRootになるコードに、Keyを確定させる音F#を含み、強い進行感が出るドミナントコードを探します。
RootがDにF#の場合、D7。
Key≡CにおけるBm7♭5の♭5の音がFなのでF#に置き換えるとKey≡GにおけるBm7になります。
それからKey≡Gの平行調Key≡EmのB7(Ⅴ7)も挙げられます。
ここではB7を採用します。3rdのD#の音がコードCの3rdのEに半音下から進むのでより強く進行するためです。
セクションBからAに戻る時にはG7をKey≡CのⅤ7と見立てて転調します。
#2の方はKey≡Cのまま進行しますが、セクションBにフックをつけるためにD7で一時的に転調します。
次に向かうコードGをKey=GのⅠと見立ててⅤ7となるD7でドミナントモーション、強く進行します。また、転調するかも?という予感を裏切るというトリックにもなっています。
このように2つのKeyを確定させるF or F#を意図的に使い分けることでスムーズに移調する事ができます。
それから、この見立ててダイアトニックに無いコードをつける事を「セカンダリードミナント」と言います。これについては次回より詳しく解説します。
今回はここまで、また次回もよろしくです!!
まとめ
・五度圏は便利
・近親調を確定する音が出てくるまでは2つの調どちらの可能性もあり、ふわふわと浮遊感のある印象
・意図的に半音を使い分けることで2つのKeyを共有できる
次の記事はこちら→ 音楽理論・初級編 #5-b ~五度圏、強進行と弱進行。セカンダリードミナントとトゥーファイブワン~