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【機材紹介インタビュー】イシヅカ (Day on Umbrella) ベース講師
Tees Music Schoolのベース講師であり、自身のバンドDay on Umbrellaに加えアメノイロ。やYUMEGIWA GIRL FRIENDなどでもサポートベーシストとして積極的に活動しているイシヅカ氏。
普段からかなりの本数のライブをこなしているイシヅカ氏に今回は
実際にライブで使用している機材やそれぞれのセッティングを紹介していただきました。
-まずは使用しているベースについて教えていただいてもいいですか?
(イシヅカ) このMike Lullは2年前くらいに楽器屋で購入してからずっとメインで使っているベースです。
見た目のカラー含めとても気に入っています。
このベースはアクティブとパッシブの切り替えができ、パッシブで使用した時の素直で優しい音がとても良く、購入しました。
僕の好きな音が鳴ってくれます。
弦は消耗して少し死んだくらいが落ち着いた音がして好きです。
【使用ベース】
Mike Lull / M5V
【使用エフェクター】
数多くのライブ現場をこなし、多様なプレイを魅せるイシヅカ氏だが、気になる足もとのエフェクターはなんとZOOMのマルチエフェクター”B3n” 1台のみ。
比較的安価で買えるエントリークラスとも言える機種のみであのサウンドを作っているのは非常に驚いたがそのセッティングなどについても伺ってみました。
-まず、自身のバンドに加えてサポートなど数多くの現場をこなしているのにマルチエフェクター1台で完結している事に驚きました。
(イシヅカ) ライブで必要な音はここに全部入っているんでこれ1台で十分なんです。
特に僕は言い方はあれですけどそんなにこだわりが強くないので、自分の出したい音が出れば良いと思っています。
これ1台でもかなり多くのエフェクトが入っていますし、幅広い音作りが出来ますよ。
-それでは実際に内部でどういったエフェクターを使っているのか教えてもらえますか?
(イシヅカ) まず基本のセッティングなんですけど、コンプ→プリアンプの順番で常時ONになっています。
コンプは全体の音圧感の底上げと、あとは心の保険でかけてますね(笑)
それを通ったあとに、プリアンプにいきます。これはSANSAMPのBASSDRIVERのモデリングですね。
PA卓に送る音でイメージしているのが、タッチのカチカチした部分は邪魔になるのでプレゼンスをかなり抑えめに、BassとTrebleを少しブーストし、歪み感を少し加えて“ドンッ”という音が出るようにしています(笑)
まずはここで基本的な音のキャラクターを作っています。
CompはEBS Multicompのモデリングを使用。
LoTHR,HiTHRで低音域と高音域でスレッショルド値をそれぞれ設定できるのが特徴。
プリアンプはSANS AMPのBASSDRIVERのモデリングを使用。
言わずと知れた名機であるが、B3nに内蔵されているモデリングも非常に優秀。
Bass,Trebleを若干ブースト、Presenceを抑え、原音とエフェクト音の割合を調整するBlendはちょうど真ん中の50に設定されている。
-ほかにはライブ中に使用するエフェクトはありますか?
(イシヅカ) この2つを常にかけつつ、あとは曲によって使うエフェクターがあります。
まず1つ目は歪みペダルを設定しています。これはDarkglassのモデリングですね。
曲によってパワーだったり疾走感が欲しいときにこのエフェクターは踏んでいます。
例えば最近サポートで弾いているYUMEGIWA GIRL FRIENDだと「Downer」などはこれを踏んでいますね。
(イシヅカ) それともう一つ歪みがあります。これは曲中では使わなくて、ライブの時の曲間の繋ぎで使ってます。
とにかく歪ませて「ギャーン」という音を出したい時にはこれを踏みます。
これはBB Preampのモデリングですかね。
たぶん本来の使い方とは違うんですけど(笑)
歪みのサウンドを探していたらたまたまこれを見つけて、試してみたら一番イメージした音に近くてしっくりきたので使っています。
これの良いところは、マルチエフェクターってデジタルっぽい音になると言われたりもするんですが、このエフェクターは深く歪ませても低音が無くならないので、大きい音で「バーーン」と弾いた時にも音が薄くならず迫力を出せるんです。
(イシヅカ) それともう一つがコーラスです。これは自分の癖みたいなものでもあるんですけど、曲中の静かなセクションでベースがハイフレットに上がるようなフレーズを弾く時にはかなりの高頻度でかけています。
これによって曲にフックが生まれたり、ベーシスト的には耳をこっちに向けさせる事ができるんです。
-なるほど、コーラスはイシヅカさん流のベースの肝とも言える部分なんですね。
かなり深めにかかるセッティングでエフェクティブな使用をしているのも面白いと思いました。
(イシヅカ) そうですね。ちゃんと聞いた時にコーラスがかかっているのがわかるようにしたいので結構深めにかかる設定にしています。
コーラスは自分的には踏むだけでお洒落になるお手軽エフェクターという感じです(笑)
このへんは日向秀和さんにかなり影響を受けています。
(イシヅカ) 主にライブで使用しているのはこれくらいで、あとはほとんど使わないんですけど、リバーブを入れていて気分で踏んでいます。
-気分で踏むって事もあるんですね(笑)
(イシヅカ) 曲中では使用していなくて、これも曲間の繋ぎでしか使わないので、残響感で雰囲気を作りたい時に踏んだりしています。
それともう一つ今作っている音があって、これはまだ実際にライブで使ってないんですけど。
-ぜひそれも教えてもらってもいいですか?
(イシヅカ) ちょっとまだ作ってる段階であれなんですけど、数が多いのでまとめて説明しますね。
順番にいくと[コンプ]→[コーラス]→[ディレイ]→[ディレイ]→[リバーブ]となっています。
まずコンプで全体の音量の底上げ、そしてコーラスで味付けをして、2種類のディレイをかけて最後にリバーブで残響感を出しています。
-ディレイが2つ重ねてかけているんですね。これはどういった理由ですか?
(イシヅカ) 2種類それぞれに違うディレイタイムが設定してあります。1つが短めのショートディレイで、もう1つが割と長めのタイムに設定してあるロングディレイです。
2つの異なるディレイタイムのディレイを重ねることでより広がりが出るんです。
それで、このエフェクトが全部かかった状態でベース本体のボリュームを手元で操作してリバースっぽい音が出せるんです。
和音を弾きながらこれをするといい感じに雰囲気が出るので、これもライブの曲間の繋ぎで使おうかと思っています。
-なるほど!すごく残響感のある雰囲気が出ていますね。
ここまでの話を聞いていて、イシヅカさんは基本のサウンドに限らずライブでの曲間の繋ぎなどをとても大事にしているんだなというのが印象的でした。
(イシヅカ) やっぱりそこまで含めてライブという一つのショーなので、そういった部分はかなり大事にしています。
【使用アンプ】
Aguilar / AG700
-次にアンプについてもお聞きしていいですか?
(イシヅカ) アンプはライブの時は毎回AguilarのAG700を持ち込んでいます。
元々Aguilarが気になっていて、楽器屋でこのAG700ともう一つAguilarから出ているToneHammerを弾き比べたんですけど、即決でこっちを買いました。
AG700の特に良いところは音がとてもクリアで素直。ツマミも少なくてシンプルなのが良いですね。
さっきも言ったように僕はあんまりこだわりが無いので、ツマミがいっぱいあるとよく分からないんです(笑)
あと小さくて持ち運びが楽なのも良いところですよね。
-確かに、電車移動でも自分のアンプを持っていけるのは便利ですね!
EQなどの設定についてもお伺いできますか?
(イシヅカ) 基本的には全部のツマミがほぼフラットの状態から、会場の特性によって調整しています。
BASSは特に出過ぎてしまうとボーカルが歌いづらくなったりするので気にするようにしています。
あとは僕のベースや弦の状態、エフェクターのセッティングが割と丸みのある音が出るようにしているので、アンプから出る音がモコモコして埋もれてしまわないようにTREBLEは12時~1時の間で若干ブーストさせています。
あとはLOW MIDでバンドの音圧感を底上げするイメージです。
-Aguilarを選ぶきっかけは何かあったんですか?
(イシヅカ) 同じTees Music Schoolの講師でもあるんですけど、Organic Callのベースの植木さんが持っていたのを対バンした時に貸してもらったことがあって、それで気に入ってしまって。
植木さんが持っているのはToneHammerだったんですけどそれからずっとAguilarが気になっていたんです。
EQの設定は見ての通りほぼフラット、その日の会場の音質特性などによって調整して補正をしているとのこと。
BRIGHTスイッチは会場との相性でONにして使用することも。DEEPスイッチはOFF。
-ありがとうございました。いろいろと驚くことがたくさんあって個人的にもとても楽しかったです。
最後にイシヅカさんからこれを読んでいる皆さんに一言もらえますか?
(イシヅカ) 今回紹介したZOOMのB3nは最初から入っているプリセットだけでも作り込まれた音がたくさん入っているので初心者の方や初めてエフェクターを買う方にもオススメです。
もちろん他にもいろんな種類のエフェクトが入っているので、これ一台で十分サウンドを作り込めるのでこれからも研究してみようと思います。
Tees Music Schoolのレッスンでも実践的なエフェクターの使い方や音作りの方法も教えていけたらいいなと思っているので、興味のある方は一度気軽に体験レッスンに来てもらえたら嬉しいなと思います。
数多くのライブ現場をこなすイシヅカ氏、今回そのサウンドの作り方を出し惜しみせずに教えてくれました。ぜひ参考にしてみてください!
レコーディングでは別の機材を使用、また取材時から現在はまた音作りがアップデートされているとのこと。そちらも別の機会に紹介できればと思っています!
体験レッスンなら無料で音作りのアドバイスも受けることができるのでぜひ気軽に受講してみてください。