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【音作りとイコライザー】その5「ローカットとハイカット」
こんにちは。
Tees Music School ベース講師の植木貴士です。
前回まででの解説で、かなりイコライザーに対する知識が深まったと思います。
今回は音作りとイコライザー最終編として、イコライザーの予備知識的なものをお伝えしようと思います。
前回の記事はこちら
・ローカットとハイカット
皆さんはお使いのエフェクターに、「HPF」や「LPF」という機能がついているものをお持ちでしょうか?
比較的珍しいかもしれませんが….
HPFもLPFも実はイコライザーの一種です。
HPFはハイパスフィルターの略で、ハイをパス、つまり高音を通して低音をカットするエフェクトで、ローカットと同一です。
LPFはローパスフィルターの略で逆に、低音を通して高音をカットする、ハイカットと同一です。
よくオートワウなどのフィルター系と呼ばれるエフェクターのついていますが、HPFもLPFも音色を変化する用途ではなく、高音や低音の音の成分を調整するためについている事が多いと思います。
・ローカットとハイカットを動かした時のイメージ
それでは、ローカットとハイカットをかけた時、どのような変化が起こるのか見て見ましょう。
このように、ハイカット(LPF)なら指定した周波数から上の周波数を下げ切る形に、ローカット(HPF)なら指定した周波数から下の周波数を下げ切る形になります。
これにより、余計な低音と高音をバッサリ落とす事ができます。
僕はHELIXのHX STOMPを使っているのですが、あまりにもローが回りやすい場合などは、この HX STOMPに内蔵されているグローバルEQという機能の中のローカットを使って、60〜100Hzあたりでバッサリ低音を削っていました。
賛否両論あるとは思いますが、ライブでの音作りの選択肢として持っておいて損はないと思います。
・ローカットハイカットの不思議な特性
エフェクターなどに内蔵されているローカットやハイカットは基本的に周波数やQが固定のものが多く、調整できても周波数のみのものが多いと思います、
ですが、あえてハイカットとローカットでQの幅を調整した時に起きる変化をお話ししておきます。
先ほどハイカットとローカットをかけた図を出しましたが、一度、Qが広い状態のものを見てみましょう。
広いQでのハイカットローカット
下がり方がなだらかになり、指定した周波数からより少しずつ下げ切る形になりましたね。
では、狭いQだとどうなるのか、見てみましょう。
不思議なことに、指定した周波数が急激に上がり、そこから下げきる形になります。
この図はあえて極端にQの幅を設定していますが、調整次第でこのような形にできます。
狭いQでのローカットハイカットの調整
Qの幅しか調整していませんが、先ほどとは打って変わって指定した周波数がなだらかに少し上昇し、そこから下げ切る形になります。
ローカットとハイカットは、余分な周波数をカットしつつ、必要な高音や低音をプラスするような使い方もできるということです。
ここまでの調整ができるエフェクターはかなり稀かとは思いますが、こうしたイコライザーを使った時にどのような変化をするのかを知ることで、自分の音のイメージがより形にしやすくなると思います。
いかがでしたでしょうか。
イコライザー、思っているよりも奥が深いと思いませんか?
面白いと思っていただけたら幸いです。
ぜひ参考にして、より理想的な音作りを目指してみてください。