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2021.05.27

音楽理論・初級編 #5-b ~五度圏、強進行と弱進行。セカンダリードミナントとトゥーファイブワン~

こんにちは!Tees Music School講師のRyosukeです!

前回に続きコード進行の中にある音の動き方について触れたいと思います。

前回の記事はこちら→ 音楽理論・初級編 #5-a ~五度圏の見方と近親調~ 


 
今回も五度圏(Circle of 5th)と呼ばれる表をご覧ください。

 

 
・強進行/弱進行とセカンダリードミナント

強進行/弱進行という考え方があります。

表の時計回りに進行していくと5度ずつ動いていきます、ドミナント方向に動くので強い進行感を持っているため強進行と呼びます。

また、半時計回りでは4度ずつ進行して、SD方向に動くので比較的緩やかな進行感を持っています、対比として弱進行と呼びます。ですが、ルートの動きとしては4度方向に進んで循環する動きがより安定した進行感が感じられます。

  

ケースバイケースではありますが例を見て感じを掴んでください。

Key≡Cとして強進行のコード例です。時計回りにルートが動き、ダイアトニック内に当てはまる様にコードを付けていきます。

 

 
ドラマティックな印象の進行になりました、前半4小節なんかはレッチリのフルシアンテ期の感じがしますね。

7~8小節目はアタマのCに帰ってくるように自然な流れのSD→ドミナントということでG7になっていますが、ジャズなどで使われる「裏コード」としてD♭7もアリです。(  )で書いた方ですね。

 
 
また表を見てください、表のGの反対側にC#/D♭があります。この反対側にある音はトライトーンの関係になっているので、不安定なドミナントコードの置き換えにも使えて、かつ5度進行を保った循環コードにもなるという仕組みです

当たりがキツい響きではあるので歌モノでは使いづらいかもしれません、間奏などに上手く取り入れると耳を引くアレンジができます。

そんな「裏コード」も頭に入れておくと良いでしょう。

 


  
続いて同じくKey≡Cでの弱進行コード例、半時計回りに動きます、ルートがダイアトニックに当てはまるように調合を直しました。

 

 
こちらは緩やかでメロウな印象で、音の跳躍も少ないのでいつまでも繰り返すことができる、主メロのフェイクやソロ回しなど遊びが入れやすいですね。

 
ちなみにこれをマイナーキーで置き換えると「Fly me to the moon」と同じ進行になります。

 

 
ここで使われている「セカンダリードミナント」というテクニックはPOPSや歌モノで頻出するのでぜひ覚えてください!

 
次に向かうコードをⅠ(Tonic)と見立てて、意図的にドミナントモーションを起こす、というものです。Ⅴ7→Ⅰの動きを作る為、ダイアトニックに無いコードを持ってくる事がほとんどです。

 
譜例のAセクションの7~8小節目からBセクションの1小節目にかけて注目してください。

Key≡Amのトニックに戻ってきた所から次の展開にむかってアクションを起こす場面ですね。

 
Bセクションの1小節目DmをⅠ(トニック)と見立てて、直前のAm(トニックだった)をA7(ドミナント)に変えることでⅤ7→Ⅰとドミナントモーションさせています。

 
”ルートの動きは4度ずつ”を保ったまま、A7に変化したため3度の音がC→C#に変化します、次に向かうDmの半音下から滑らかにアプローチする事も可能になりました。


  
・トゥーファイブワン

それから常套手段で「トゥーファイブワン(2→5→1)」があります。通称トゥーファイブ

セカンダリードミナントの応用・発展形とも言えます。

 
向かうコードをⅠと見立てて直前のコードをⅤにする、そのⅤをまたⅠと見立てて直前のコードをⅤとするとこのコードはⅡと捉えられます。

ややこしいですね!笑

 
Aセクションの2~4小節目にトゥーファイブがあります。

4小節目のCをⅠと見立てると3小節目のGがⅤ、そのGをⅠと見立てるとⅤがDになり、ダイアトニック内ではDm、Cから見たⅡmです。

2→5→1というように4度ずつの進行でドミナントモーションの連続形とも言えます。

 
 
またAセクション6~8小節目にもトゥーファイブがあります、Bm7♭5→E7→Amの流れでAmをⅠmと見ています。

 
弱進行コード例の3~5小節目、6~8→1小節目にもトゥーファイブとセカンダリードミナントがあります。

 
これを読んでいるみなさんの好きな曲にもきっとこれらのテクニックがたくさん使われているでしょう、それでは今日はここまで。また次回もよろしくね! 


 
まとめ

・五度圏は便利(2回目)

・セカンダリードミナント、トゥーファイブ、裏コード

・これらを複合してアレンジする事で馴染みの良さや違和感を活かしたフックになる

 


 
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