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【ベース演奏解説】Official髭男dism「Pretender」
こんにちは、ベース講師のたなべあきらです。
GWももうあと残りわずか。みなさん楽しい休日を過ごせましたか?
今年はなかなか外出のしづらいGWになってしまったので来年は久しぶりに旅行でも行けたらいいな〜と今から考えてます、沖縄とか。
ベース演奏解説ということで、今日はOfficial髭男dismの「Pretender」のベース演奏のポイントを解説していこうと思います。
とても心地よくいい曲ですよね。初心者の方にも弾きやすいのでぜひ挑戦してみて欲しいです。
まずは全体の演奏をどうぞ。
(※半音下げチューニングになっています)
うーん、本当にシンプルであるのに凝っているというか、楽曲の余計な部分を削ぎ落とした完成度の高い曲です。
さて、ポイントを解説していってみましょう。
ポイント①「ドラムと合わせないベース」(イントロ)
はい、気づきましたか?
ドラムと合わせないって言うと語弊があるかも知れないのですが イントロのリズム、ドラムのリズムがシンコペーションしているのに対してベースはそれについて行かずにベタの8ビートで弾いています。
試しにベースもドラムに合わせてシンコペーションしてみると、こうなります。
なんだかさっきよりも軽快な雰囲気になった感じがしませんか?
どちらも間違いではないんですが、このPretenderという楽曲の切なさや寂しさの部分を表現するためにここは敢えてベースはシンコペーションしないという選択をしているのではないかと思います。
ポイント② 「変則的なリズムで進むBメロ」
このBメロかっこいいですよね。
何気なく聞いてるとちょっと変なリズムに感じると思います。
これ、変拍子かなって思ってたんですけど、進行自体は変わらず4/4進行です。
2小節目からのコードチェンジのタイミングが前の小節の4拍目の裏拍にきています。
Vocalに対してバックの演奏が先に進んでいるので不思議な感じがしますよね。
これによってシンプルな8ビートが続く楽曲の中で緊張感を持ったパートになって楽曲にメリハリ が生まれていると思います。
試しに、普通に小節頭にコードチェンジをしたパターンで弾いてみます。
普通に捻らずに弾いたらこうなると思います。
これも全然違和感なくまとまるはずですが、楽曲全体のバランスやこのパートの表現としてさっき弾いたようなリズムアレンジをする事で緊張感が生まれています。
ポイント③ 「徹底したルート弾き」
はい、これがとても堪らないですね。
特にサビです。マジでルートしか弾いてません。
厳密に言うと、数カ所だけ次のルートに向かうパッシングノート(経過音)が入っていますがそれだけです。
他の楽器の音数も多くなく、これだけ自由にフレーズを入れられるスペースがあるとついつい色々 弾きたくなってしまうなぁと僕なら思ってしまいます。
メロディックなフレーズ弾いたらベースかっこいいって言われそうですもん。
ルート弾きって言うと世間一般的に少しだけ「簡単なベース」っていう印象があると思うんです。
確かに、演奏技術的にはシンプルで難易度は比較的簡単です。
特に始めたばかりの頃はコードの事はよく分からないからとりあえずルートを弾いておこう!って方も多 いと思います。
ただ、今回はコードが分からないからとりあえずルートを弾いておこう!ってわけではなくて(当然)、このコード進行で進む楽曲の中で敢えて ”ルートという音を選択している” のですね。
空いたスペースをフレーズで埋めずに敢えて空白を残すことによってリスナーが歌詞から連想する余白を残しているのだと思います。
と、簡単に3つのポイントを解説してみたのですが、改めて良い曲だなぁと思いました。
楽曲全体としてとてもシンプルにまとめられているのでベース初心者の人にも弾きやすいと思います。
ぜひ挑戦してみてください!